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ビデオカードの選び方

ビデオカードとは

ビデオカードの役割

ビデオカードとは、パソコンからの映像データ等をモニターに出力する役割をする PC パーツです。グラフィックボード等とも呼ばれ、呼び方は様々あります。ただモニターに出力するだけでなく、映像に関する処理を高速に行ったり、映像とは関係ない処理も高速に行ったりするビデオカードもあり、その役割は結構広いです。

ビデオカードが無い場合は、マザーボードを利用

ビデオカードが搭載されないパソコンでは、マザーボードに搭載されているビデオカード的な役割を持つ機能(ビデオ機能)を使用します。その機能をオンボード(チップセット内蔵)と呼びます。つまり、パソコンの仕様に、オンボード、もしくはチップセット内蔵と書かれていたら、そのパソコンはマザーボードに搭載されているビデオ機能を使用している事になります。

マザーボードによっては、ビデオ機能が搭載されていません。このようなマザーボードを搭載するパソコンは、ビデオカードが必須になります。ビデオ機能未搭載のマザーボードを搭載したパソコンが販売される事もありますが、必ずと言っていいほどビデオカードが搭載された状態で販売されています。

選ぶ前に

ビデオカードを搭載するには、拡張スロットが必要

ビデオカードを搭載するには、パソコンに拡張スロットが空いている必要があります。基本的に拡張スロットは、デスクトップパソコンのタワー型にあります。よって、ビデオカードは、デスクトップ省スペース型や一体型、キューブ型、ノートパソコンには搭載できません。ただし、デスクトップ省スペース型やキューブ型の中には、拡張スロットが存在し、ビデオカードが搭載できる場合があります。

その拡張スロットですが、ビデオカードが使用する拡張スロットは 基本的に AGP 接続か、PCI Express X 16 接続のどちらかです。後者の方が最新で転送速度が速いです。前者の AGP 接続ですが、 AGP 接続対応のビデオカードの新製品が減り、もはや古い規格となっています。ビデオカード購入前にパソコンにどちらの拡張スロットがあるか確認する必要があります。両方あれば、最新の PCI Express X 16 を用いることをおすすめします。

サイズが大きいビデオカードは、PC 内部に十分なスペースが必要

ビデオカードは、一般的に性能が高いモデルほど、サイズが大きくなります。最高クラスの性能を持つビデオカードだと、タワー型の場合でも、PC ケースの内部構造や、他の PC パーツの設置状況によって、ビデオカードの搭載が難しくなる場合があるほどです。

また、ビデオカードには、冷却用の小さいファンが内蔵されていますが、モデルによってはファンが搭載されていないファンレス化モデルもあります。ファンが無いビデオカードは、ヒートシンクと呼ばれる金属の物体を取り付ける事によって熱を逃がします。ヒートシンクは、その表面積が大きいほど、熱を効率よく逃がす事ができるため、サイズが大きい事が多いです。つまり、ファンレスとなっているビデオカードのサイズが大きいと同じ事です。よって、ファンが無いビデオカードは、ファンの動作音が無いため静かですが、サイズが大きいため、 PC ケースの内部が広く、かつビデオカード周辺に十分なスペースが必要です。

以上のように、性能が高いビデオカード、またはファンレス化したビデオカードは、サイズが大きいため、ビデオカードのサイズをよく調べ、自分のパソコンに搭載できるのか確認する必要があります。一般的に、サイズが大きいビデオカードは、拡張スロットを1つ使用するモデルでも、そのサイズの大きさによって、実質2つのスロット分のスペースを占有してしまう事が多いです。

高性能ビデオカードは、補助電源を必要とする場合が多い

たいていのビデオカードは、拡張スロットに挿せば、そこから電力の供給が受けられ動きます。しかし、消費電力量が高いビデオカードは、拡張スロットから供給される電力量では足りず、補助電源を必要とする場合があります。特に高性能なビデオカードは、消費電力が高いため、補助電源を必要とする場合が多いです。

補助電源を必要とするビデオカードには、パソコンに搭載されている電源ユニットから直接電力が供給される必要があります。ビデオカードの補助電源としてよく使われるコネクタは、6 ピン PCI Express 用コネクタ、または 8ピン(6 ピン + 2 ピン) PCI Express 用コネクタです。

もし、ビデオカードがこれらのコネクタより電力供給される必要があるのなら、電源ユニットにも同一のコネクタが備わっている必要があります。高性能な電源ユニットであれば、たいてい 6 ピン PCI Express 用コネクタ、または 8ピン(6 ピン + 2 ピン) PCI Express 用コネクタ備わっていますが、性能が低い電源ユニットには無い場合もありますので、注意してください。

なので、ビデオカードを選ぶときは、補助電源を必要とするのか確認し、必要とする場合はどの種類の補助電源コネクタを使用するのか、ビデオカード搭載予定のパソコンに搭載されている電源ユニットには、同一の補助電源コネクタがあるのか、よく確認する必要があります。

高性能ビデオカードの性能を引き出すには、高性能 CPU が必要

無事にパソコンにビデオカードを搭載できて動いても、CPU の性能が低いと、ビデオカードの性能を十分に引き出せない場合がありますので注意が必要です。特に高性能ビデオカードにその傾向が強く見られ、低性能 CPU と組み合わせて使用すると、本来の性能の半分も出ない事もあります。

よって、高性能ビデオカードを選ぶときは、搭載予定のパソコンの CPU 性能もよく見ておく必要があります。といっても、CPU にどの程度の性能があれば良いのか、その判断は難しいところです。

もし 必要な CPU の性能がわからなければ、BTO 対応のパソコンを販売しているパソコンショップのモデルを参考にしてみるのがおすすめです。基本的にビデオカードの性能を引き出せないような CPU と組み合わせてありませんし、親切なパソコンショップでは、高性能ビデオカードを選択すると、必要な性能を満たさない CPU を選択不可として警告してくれます。