CPUの基礎知識
処理速度・パワーが決まるCPU
CPUは、パソコンを動作させるエンジンのようなものです。また複雑な計算や演算も行うのでパソコンの動作速度・処理速度などにも関わってきます。
パソコンには必ずCPUが付いています。
このページでは自作パソコンで使用するCPUの特徴やメリットについて解説しています。
Core iシリーズの時代
CPUは、特に技術進歩の著しい部品です。
10年前、5年前のCPUの数倍、数十倍の高性能なCPUが続々と登場しています。
特に高性能かどうかの基準となるのが、マルチコアCPUかどうかという点になります。
Core 2 DuoというCPUの登場以降が、マルチコアCPUの幕開けといわれていて、現在主流のCPUは、Core iシリーズで2コア、4コアになっています。
これからパソコンを自作するという場合は、基本的にCPUは Intel Core iシリーズ、またはその下位版である Pentium、Celeronを使用することが一番多いと思います。
Core iシリーズ
Core iシリーズ下位版
世代
Core iシリーズも第一世代から第六世代まであります。
主なCPUソケットは第一世代 Nehalemは LGA1156、第二世代 Sandy-bridge サンディーブリッジ、第三世代 Ivy-bridge アイビーブリッジはLGA1155です。
2013年に第四世代 Haswell ハズウェルが登場しました。LGA1150です。
そして2015年に 第五世代 BroadwellとSkaylakeが登場しました。LGA1150とLGA1151です。
新しい世代のCPUが出ると前世代、前前世代のCPUは徐々に生産が終わり発売されなくなります。
現在は Haswell・BroadwellのLGA1150、SkylalkeのLGA1151のCPUが中心となります。
Core iシリーズは世代が多くて分かりにくいというのはあるかもしれません。
分かりやすい覚え方がひとつあります。
それはモデルナンバーを見ることです。
例えば Core i7、i5、i3は
下位版のPentimu、Celeronは
Core iシリーズは特に分かりやすくなっていますが、PentiumとCeleronも世代ごとに分かるようにはなっています。
性能
CPUは、同じ世代・シリーズのものでも性能差があります。
性能に差があればあるほど、価格もそれだけ違ってきます。
CPUの性能を見る上では、コア数、スレッド数、キャッシュ、動作周波数などが重要になります。
コア数
Core i3、Core i5、Core i7そして下位版のCerelon、Pentium。
何が違うのかといいます、やはりCPUの核であるコアの数が違います。
コアが多いとやはりそれだけ同時に処理できる能力があるのです。
Core i7は4コア、Core i5は4コア、Core i3は2コア。下位版のPentiumは2コア、Celeronは1コア~2コアです。
これは第一世代~第四世代のCore iシリーズではほぼ同じなので覚えやすいと思います。(若干の例外はあります)
スレッド数
スレッドもまたコアと似たようなもので、1つのコアでさらに2つの処理を行うことができると2スレッドとなります。ハイパースレッディングテクノロジーといいます。
そのCPUがHT(ハイパースレッディングテクノロジー)に対応しているかどうか?スレッド数はいくつか?というところです。
HTに対応していれば、単純にコア×2がスレッド数になります。
Core i7は4コア8スレッド(HT対応)、Core i5は4コア4スレッド(HTなし)、Core i3は2コア4スレッド(HT対応)、Pentium・Cerelonは(HTなし)。
これも第一世代~第四世代のCore iシリーズではほぼ同じです。(若干の例外はあります)
Core i5はHTには対応していませんが、やはり物理的な4コアなので 2コア4スレッドのCore i3より性能は上になるのです。
同じ世代・シリーズのものでも、キャッシュや動作周波数が大きいほど性能は高くなります。
ただ同じ世代・シリーズで性能を見るなら 基本的にモデルナンバーが上位、数字が大きいほうが性能は上なので分かりやすくなっています。
キャッシュ
CPU内の一時的な記憶領域(メモリー)。1次キャッシュ(L1)、2次キャッシュ(L2)、3次キャッシュ(L3)とがあります。
Core iシリーズ以前は 1次キャッシュ、2次キャッシュまででしたが Core iシリーズから3次キャッシュも追加されました。
キャッシュは CPUに内蔵されている高速な記憶域で、頻繁に使用するデータをおいておき メモリーへのアクセスを減らすことで処理を高速にします。
速度はL1キャッシュが最も速いのですが容量は少なくなります。L1キャッシュになければ、L2キャッシュ、L2キャッシュになければL3キャッシュとなります。
Core iシリーズのL3キャッシュは、 全コアで共有し 各コアの必要量に応じて 割り当てを変化させています。
この仕組みを インテル・スマート・キャッシュともいいます。
動作周波数
クロック周波数ともいいます。CPUはクロックという周期的な信号で動作します。
例えば 3GHzのCPUなら、一秒間に約30億回のクロック
クロック周波数が高いとそれだけクロック数が多く 処理できる量や回数が増えます。
同じ世代・シリーズのCPUで比較すると数値が高いほど高性能になります。単位は(ギガヘルツ)。
このクロック周波数を ユーザー側で手動で上げ 処理能力を高めることをオーバークロックといいます。
8コア、6コア
Intelは 各世代のCPUにおいて より高性能・ハイエンドなものを出しています。
例えば以下のようなものです。
Core iシリーズ
通常のCore i7は4コアですが、ハイエンドになると6コア(ヘキサコア)や8コア(オクタコア)があり、これらを Core i7 Extreme
Editionともいいます。すべてではありませんが、型番末尾にXが付いていることもあります。
X58、X79、X99は チップセット名。これらチップセット搭載のマザーボードがハイエンド向けになります。
CPUソケットもそれぞれ その世代のメインのものとは異なります。
やや間違いやすいのが モデルナンバーです。
例えば 第二世代 Sandy-Bridgeは2000番台ですが、Sandy bridge-Eは3000番台。第三世代
Ivy-Bridgeは3000番台ですが、Ivy-Bridge-Eは4000番のようにひとつ数字が上がります。
末尾のアルファベット
CPU型番の末尾のアルファベットには そのCPUの特徴が示されています。
無印のCPUは、標準的な設計になります。
オーバークロックを行う場合 正式に対応しているIntelのチップセットは Zから始まるものになります。
Intel HD Graphics
Core iシリーズからのCPUに内蔵されいるGPU(グラフィック機能)。
性能が上がるにつれ末尾に2000、4000、4600、530など数字が付きます。Intel HD Graphics 4000など。
上位モデルは Intel Iris Graphics、Intel Iris Pro Graphics。
第一世代 Core iシリーズ 700~900番台、型番末尾 PのCPUは 内蔵GPUは搭載していません。
チップセット
Intelは CPUを新たにリリースするときは ほぼ同時にチップセットも提供します。
「こういうCPUを出すので このチップセットを組み合わせて使いなさい」ということです。
チップセットは 要するにマザーボードです。CPUを動かす「受け皿」になります。
チップセットが新たに提供されるときに CPUソケットが変更されるときもあれば、変わらないときもあります。
ソケットの規格が変わらない場合は、その期間のCPUやチップセットは マザーボードメーカーのアップデートなどもあり 基本的に互換性は保たれます。
ただし ソケットは同じなのに 互換性がないというのもわずかですがあります。
CPUを使う際は どのチップセットが推奨か?または互換性があるのか?などチップセット・マザーボードをセットで考えることが大事になってきます。