電源ユニットの基礎知識
各パーツに電気を供給する電源ユニット
電源ユニットにもいろいろな種類・規格があります。
自作パソコンで使用する電源はパソコン全体に電気を流すという大切な役割があります。電源は人体で言うと血液を流す心臓部といえます。
そのためやはり電源は適切なものを選択することが大切になってきます。
人の健康は、血流が大事というのと似てるのですが、安定している電源の電力供給もパソコンパーツの安定した動作・故障率の低下につながるとよくいわれます。
ここでは自作パソコンで使用される電源の種類や規格など良く出てくる言葉を解説しています。
大きさ
自作パソコンで使用する電源ユニットにはいくつかの大きさがありますが、最もよく使用されるのはATX電源といわれるものです。
ATX電源というのは、PCケースでよく使用される フルタワー、ミドルタワー、ミニタワーなどに組み込める電源をいいます。正確にはATX規格に基づいた電源をいいます。
自作パソコンでの電源ユニットはほぼATX電源と考えていいでしょう。他にやや小さめのMicroATX電源(SFX電源)などがありますが、使用されることはあまりありません。
プラグイン
プラグインとは、電源部とケーブルが着脱できるようになっていることをいいます。こうした電源をプラグイン電源ともいいます。
プラグイン電源は、マザーボードやパーツにつなぐケーブルだけ電源部と接続することになるので、余計なケーブルがケース内に収まることがないので、スッキリする上、ケース内部での空気の流れが促進され排熱・冷却効果にもつながります。
プラグイン電源は必要な配線のみで接続することができます。メイン電源・CPU電源のみ電源ユニットから直接出ていることもあります。
電源ケーブル
電源ユニットからは、各パーツに電力を供給するために何種類かの電源ケーブルが出ています。
電源ケーブルを接続するパーツは、マザーボード、HDD、光学ドライブ、グラフィックボードなどです。
どのパーツにどのケーブルを繋ぐかは決まっているので、あまり戸惑うことはありません。
ケーブルの種類はどの電源ユニットもほとんど同じものを備えていますが、ケーブルの本数、例えばSATAがいくつとかは 電源ユニットによって異なることがあるので、自作や交換で電源ユニットを準備する際は
どういうケーブルをどれだけ備えているかを念のため確認しておいたほうがいいでしょう。
80PLUS認証
80PLUS認証というのはここ数年で規格化されたもので、電源変換効率が80%以上の電源ユニットに対して、80PLUS認証というものが与えられています。
もともとパソコンで使用される電源は、交流から直流に変換するのですがこの時に無駄やロスが生じています。通常はすべての電流を変換できているわけではなく変換効率が80%未満といわれています。
そこで電源ユニットがどのぐらい変換できているのかの指標が80PLUS認証になります。80PLUS認証の電源は、80%以上の変換効率があるためそれだけ無駄やロスが少なく省電力・低発熱・高寿命につながるというわけです。
80PLUS認証には変換効率に応じて下記のランク付けがされています。シルバーやゴールドほど変換効率は高くなります。
ワット数・出力
電源にはワット数・出力というものがあります。大体350w~650wのものが多いです。これはその電源ユニットがどのぐらい出力できるかを示すものです。
パソコンのパーツはそれぞれ電力を消費するので、それらのパーツの総消費電力に見合った電力供給を行う必要があります。
パソコンパーツの構成に合わせて電源のワット数も選択することになりますが、大体450w~600wぐらいあれば十分といわれています。
ハイエンドのグラフィックボードを搭載したり、複数のHDD(3,4台)を搭載したりする場合は600w以上で選択するといいでしょう。
機能
電源ユニットには保護回路が付いています。電源ユニットのパッケージにどういう保護回路が付いているか記載されていることが多いです。搭載している保護回路は、製品ごとに異なります。
PFC回路
電源にはPFC回路を搭載しているものとそうでないものがあります。PFC回路搭載の電源は、、力率が改善され無効電力が減る、ノイズが減る、安定した出力が得られるというメリットがあります。
PFC回路搭載のことを、Active PFCともいいます。
PFC回路搭載の電源にしたからといって消費電力が減ったり、発熱が減るというわけではありません。PFC回路はヨーロッパでは義務化されていて、ユーザー側というよりは電力供給会社、設備に負荷が少なくなるというメリットがあり、他の電化製品にも悪い影響を与えにくいといわれています。