小型PCの注意点
Mini ITX とは
Mini ITX(ミニ・アイティーエックス)は、VIA Technologies 社が提唱したマザーボード規格です。サイズが縦横 17cm と小さいのが特徴です。Mini ITX のマザーボードが搭載可能な PC ケースは手のひらの上で楽に持てるほど小さく、設置スペースをあまり取りません。
サイズが小さいと搭載可能な PC パーツの性能が大きく制限されますが、各 PC パーツが進化し性能が随分と底上げされたため、Mini ITX の PC ケースに搭載できるような PC パーツでも、実用的な性能を持つようになりました。
自作パソコンと言えば、ATX 規格や MicroATX 規格が主流ですが、Mini ITX 規格のマザーボードや PC ケースの製品数が増え、Mini ITX でパソコンを自作するユーザーが増えています。Mini ITX のパソコンはサイズが小さい故に気をつけておきたい点がありますが、設置スペースを抑えたパソコンを自作したい方にとっておすすめです。
Mini ITX でパソコンを自作する前に把握しておきたい注意点
搭載可能なPCパーツのサイズが小さい
Mini ITX の PC ケースには、様々なサイズを持つ製品があり、内部スペースの広さが異なりますが、総じて小さくて内部スペースが狭いため、搭載可能な PC パーツのサイズに気をつける必要があります。
特に気をつけたいのは CPU クーラー、ストレージ、光学ドライブ、ビデオカードです。PC ケースの製造メーカーのサイトには、PC ケースのサイズだけでなく、搭載可能な PC パーツのサイズについても記載した仕様を公開している場合が多いですので、よく確認しておくと良いです。
他のパーツとの干渉
Mini ITX の PC ケースは総じて内部スペースが狭く、各 PC パーツとの間の距離が短いため、それぞれの PC パーツごとに見るなら搭載可能であっても、全体で見るとお互いに干渉してしまい、搭載できない場合があります。
例えば、PC ケース内に収まる CPU クーラーであっても、拡張スロットの所まで届いてしまうサイズの CPU クーラーだと、拡張スロットにビデオカードを搭載できなくなってしまう場合があります。
ドライブベイの数が少ない
光学ドライブを搭載するのに5インチベイ、ストレージを搭載するのに3.5インチベイのドライブベイが必要ですが、Mini ITX の PC ケースはドライブベイの数が総じて少ないです。
サイズが大きい PC ケースだと、ドライブベイの数が多い製品がありますので、光学ドライブやストレージを多く搭載したい場合は、ドライブベイの数が多い PC ケースを選ぶ必要があります。
拡張スロットの数が少ない
Mini ITX のマザーボードは、たいてい拡張スロットが1つですので、ビデオカード等の拡張スロットに接続して使用する PC パーツの搭載可能な数は1つのみとなります。
中には拡張スロットが2つあるマザーボードもあり、これなら複数搭載や、2スロット分を占有するビデオカードが搭載可能となります。
付属電源ユニットの容量が小さい
Mini ITX の PC ケースには、電源ユニットが付属する製品もあれば付属しない製品もあります。Mini ITX のパソコンに搭載される PC パーツの数は少なく、冷却性が低い事もあり CPU やビデオカードは性能と消費電力が低い製品を搭載するのが望ましいため、付属する電源ユニットは総じて容量が小さいです。中にはノートパソコンのように AC アダプタを使用する PC ケースもあり、こちらも容量が小さいです。
搭載する PC パーツの消費電力が低ければ容量が小さくても問題ありませんが、比較的性能と消費電力が高い CPU やビデオカードを搭載する場合は容量不足になる恐れがありますので、付属電源ユニットの容量が大きい PC ケースを選ぶか、単独で販売されている電源ユニットを搭載可能な PC ケースを選び、容量が大きい電源ユニットを別途で用意する必要があります。