自作PCのススメ
Windows95の登場以降、大きく広がりを見せた自作PC。その後のOSの進化とともに一時代を築いてきた自作PCも、昨今安価なメーカー製PCやPCショップのBTOパソコンの登場により価格的なメリットを失いつつある。
そんな中でもPCを自作するメリットを考えてみました。
すべてを自分で決めたPCは満足感が違う
PCを自作するメリットを考えてみると、まず構成が自由に決められることが挙がる。PCと一口に言っても、求めるスペックは多様化している。BTOによるカスタマイズはそれに対応したものだが、ハイエンドとローエンドパーツを混在させたようなシステムは選べないことが多い。仮にそれができたとしても、全然もの足りない。
というのも、PCを自作してPCパーツに対する理解が進むと、それぞれのパーツに求める条件も増えてくる。たとえば、ビデオカードなら、GPUとビデオメモリ容量だけでなく、電源回路、クーラーの冷却性能と静音性、デザインなど、さまざまな要素を検討してこだわって選ぶようになる。パーツへの理解に裏付けられたこだわりは、当然使用感にも直結する。その満足感は、既製品の比ではない。
価格メリットがないということも、既製品のもっとも割安な構成を、同じ価格では再現することが難しいというだけだ。重要なのは、欲しい構成の価格であり、自作PCならではのメリハリのある構成であれば価格面のメリットも十分ある。そもそも、価格以前に自作PC以外では同じ構成を再現できないことがほとんどだろう。
もっと言えば、自作PCは汎用規格のパーツで組むわけだから、後からのパーツの追加や交換が容易だ。一度組み立ててしまえば、次からは一部のパーツを流用することでコストを削減できる。一部のパーツを入れ換えていくだけで、常に一流の性能、機能をキープすることができるのだ。むしろトータルで考えれば、格安だろう。
自作なら定番からニッチまで自由自在
自作PCなら低価格CPUでもストレージは大容量に、ビデオカードはハイエンドを、といったようにパーツ構成が自由自在。ショップ系PCもそれなりに自由が利くものの、変更できない部分があったりする。メーカー製PCはコストや生産効率の関係から売れ筋のみにフォーカスする傾向があり、カバー範囲が狭い。
大手PCメーカー製PCへの不満
ショップブランド・BTO系への不満
構成によって強いゾーンが異なる
絶対的な安さなら、生産規模を活かして大量購入でパーツを安く仕入れられる大手メーカー製PCが有利。ミドルレンジクラス以上のシンプルな構成なら、ショップ系PCもかなり割安だ。
自作PCはそれらのゾーンから外れた、ある意味アンバランスな構成でこそコストパフォーマンスが高まる。
自作なら内部まで拘ることが出来る
最近のPCケースは外観のデザインだけでなく、中のパーツを見せることを意識した製品もある。そのため、本来は見えないはずのPCパーツでも限定カラーモデルや発光機能の搭載など、デザイン性を意識した製品が増えている。
中身の見た目までこだわってコーディネイトできるという楽しみは、自作PCだからこそできるものだ。
自作ならば追加も交換も思いのまま
メンテナンスしやすいPCケースや拡張性の高いマザーボードの選択など、これこそ自作PCの本領をフルに発揮できる点だ。
ショップ系PCも自作PCに近いが、自由度の点では劣る。メーカー製PCはそもそも拡張性がなかったり、独自規格を採用していたりして、パーツの拡張や交換が困難なことがある。
さらにパーツを交換することにより、メーカー保証を受けられなくなる可能性がある点にも注意。